自動車教習所に通い免許を取得したのにペーパードライバーとなり、免許証が本人確認のツールにしかなっていない方。
私含め結構多いのではないのでしょうか。
私はこの度一念発起して、本来の「車の運転」のツールとすべくペーパードライバー講習を受けてみました。
・ペーパードライバー講習に関心がある方
・車が運転できたら便利だろうけど、どのくらいの金額や期間かわからないし億劫だという方
に読んでいただけると幸いです。
ペーパードライバー講習を受けようと思ったきっかけ
きっかけは端的に言うと、こどもふたりを連れての外出が大変そうだったから。
わが家に次女がうまれ、育休に入りました。
その私が、次女とどこかに出かけるとなるとベビーカーか抱っこ紐です。
そして、ふと考えました。
次女が歩き出す頃、または抱っこ紐で長時間は重くて大変になる頃。
長女と次女ふたりと出かけるとき、めっちゃ大変じゃないか??
よちよち歩きの次女とあちこち行きたがる長女と手を繋ぎ歩くのは大人だけと違って何倍も時間がかかります。
だっこも要求されるでしょう。
歩けるはずの長女が「わたしも」と言うでしょう。
ふたりを自転車に乗せると、前後ろに子どもが乗るので荷物を載せるのは難しくなります。
バスや電車は大人しくする?無理ですね。
揃って座れないかもしれません。
車だと、それがだいぶ楽になります。
座るところは確保されます。
喋ろうがわちゃわちゃしようが人の目は気になりません。
長距離長時間でも、バスや電車より楽でしょう。
乗り換えがいりません。
ベビーカーのときのように、エレベーターを探す手間が減ります。
育休中なら、復帰後に比べて平日に時間を捻出できます。
仕事復帰前に車の運転ができるようになり、車という手段が選べるようになっていれば、と考えました。
ペーパードライバーとしての私のスペック
・就職の時に免許取得
・1〜2年ほど運転、その後運転せず
・ペーパー歴12〜13年
私が就職したときはおりしもリーマンショック後で、希望の事務系の募集はなく、営業職ばかりでした。
営業としてなんとか就職後、運転ができないと不便だよと言われ免許を取得。
電車で事足りることが多かったのですが、必要なときだけ先輩に助手席に乗ってもらい運転。
のちに縁あって事務系に異動となり、それに伴い運転の必要性がなくなり運転から遠のきました。
結婚前は父、結婚後は夫が運転をしていたので特に不便は感じていませんでした。
住んでいる場所も、車がないとどうにも困るという地域ではありませんでしたし……。
長女がうまれてからは車を重宝するようになったものの、出かけるときは夫が一緒なことが多かったですし、たまの夫不在では抱っこ紐に乗せたり手を繋いで電車に乗ったりでなんとかなっていました。
それが、子どもがふたりとなるにあたり、不便を感じるだろうなと考えるようになったわけです。
車の運転ができたらしたいこと
今の時点で、運転ができるようになったらこういうことをしたいと考えています。
⚪︎悪天候での保育園送り迎え
保育園の駐車場は狭く、なるべく自転車や歩きでということになっていますが、「雨」「こどもふたり」「布団を持って帰る」など条件が重なったときに手段として車が使えるようになっていたいところ。
⚪︎子どもを病院に連れて行く
子どものひとりが発熱、でももうひとりを家に置いていけないというときなど。
姉妹揃って発熱という場合も、どっちもを自転車に乗せるのは大変でしょう。
⚪︎買い物
前と後ろに子どもを乗せた自転車だと、買い物かごが置けないので、重いものやかさだかいものが買えません。
週末にササッと車を出して買い出しができたら楽ですね。
⚪︎子どもを連れて実家に行く
夫が遠出をする日など、ぱっと実家に連れていけたら便利だし気持ちが楽です。
実家は電車の乗り継ぎが必要なので、着くまでが大変なんですよね。
私がひとりで出る日はもれなく夫は子どもを車で彼の実家に連れて行っていて、いいなと思っていたのです。
(夫が私用で出かけるときは実家に送り迎えしてもらうことが多くそれほど不公平ではないのですが、お願いをしなくてもよくなればもっとフットワークが軽くなります。)
⚪︎家族で遠出をするときに夫と交代で運転する
実家義実家に行くとき。
外食をするとき。
旅行に行くとき。
交代ならお互い疲れませんし、行きと帰りで分けたら片方がお酒も飲めます。
仕事では使うあてがないので、もっぱら日常使いとしてです。
もっと慣れたら、車でないと大変な場所でも率先した出かけられるようになります。
家族でなく友達との遠出でも使えるなら、それもわくわくしますね!
教習所か出張型か
ペーパードライバー講習を受けようと思ったとき、調べると「教習所」「出張型」の2パターンがありました。
それぞれの特徴や利点としては以下でしょうか。
教習所
免許を取る自動車教習所にあるペーパードライバー講習を受けるパターン。
・所内での練習あり
・カリキュラムがある程度決まっている
・幅広く色んな種類の練習ができる
ペーパードライバーになってしまっていますが、とにかく教習所にはお世話になっていたはず。
馴染みの場所なら、どんなところかわかっているので敷居はそれほど高くないでしょう。
出張型
ペーパードライバー講習を専門にしているところで、自宅(もしくは指定した場所)に出張してもらうパターン。
・自宅まで来てもらえる
・自家用車が使える
・ルートをカスタマイズできる
・料金が安くなる可能性あり
教習所ほど知名度はありませんが、個々の状況に合わせた対応が可能になります。
こちらのほうがずっと便利と感じるひとも多いのではないでしょうか。
出張型を選択
私の場合、
・仕事で使用せず普段使いになるため、よく使うであろう近所の道に慣れたい
・教習所よりも料金を抑えたい
・子どもが幼く授乳間隔などの問題があるので、教習所までの往復がなく自宅まで来てくれるほうが便利
という理由で出張型を選択しました。
夫も育休中で子どもを預けることができたので利用はしませんでしたが、私が選んだところでは子どもを同乗させることもできたようです。
託児施設に頼らなくて済むので、こういうのはありがたいですね。
出張型のなかで、私が選んだのは全国展開をしていない個人の会社でした。私が住んでいるところに強い地域密着型だったところと、主な受講者層が自分と似ていたところが決め手でした。
出張型のペーパードライバー講習を受けてみた
以下は、私が受けたペーパードライバー講習の流れです。
どこの講習を受けるかによって詳細は異なると思いますが、おおまかには似たようなものになるでしょう。
予約
おためし講習があったので電話にて予約しました。
自家用車か教習車どちらを使うかと、住所と電話番号をお伝えします。
私は教習車を選択しました。
おためしで感触がよければ自家用車に変えてもいいかなと考えていたこと、講習中に夫が車を使う可能性があったことがその理由です。
自家用車を使用する際には、加入している保険を確認しておきます。
ヒアリング
自宅に教習車で来ていただきご挨拶。
そして最初に、簡単なヒアリングがありました。
・過去の運転量とその内容
・免許取得時期とペーパードライバー歴
・今後の運転用途
・想定される目的地例
など。
そこから、教える内容やルートを考えてくださいました。
自動車についての説明
特に座学はなく、早速車に乗り込みます。
アクセルにブレーキ、サイドブレーキやウインカーといった基礎的な部分の説明がありました。
そしてミラーや座席の調整を行います。
(私は低身長なので、座席を結構動かさないと運転がしづらいです。)
自家用車使用の場合は、教習車との違いを考慮せずに済むのでよりわかりやすくなります。
アクセルとブレーキは覚えていても(不安ではありましたが)、ワイパーなどは本当に忘れていました。「これは?これは?」と色々聞いて確認できてほっとしましたね。
お試し講習
習うより慣れろということで、説明をさらっと受けてから早速発進。
助手席側に指導員さんに座っていただきます。
補助ブレーキがあるのでもしものときは止めてもらうことになります。
家のまわりをくるりと一周するところから始めて、ちょっと距離を伸ばす、右折をしてみる、大きな交差点に行ってみる……。
教習所のように囲われたところではありませんが、運転の様子を見ながらレベルに合った進め方でした。
また、慣れていないうちは集中力を使うということで、ちょこちょこ駐車してポイント説明などもしていただきました。
お試しが終わったら料金を支払い、本格的に受講したい場合は次回の予約を取ります。
ここで講習や指導員さんとの相性を見極めましょう。私は満足だったので、このときに予算と都合のいい日時をお伝えしました。
本格講習
どういうところによく行くか、どんな使い方をしたいかなどのヒアリングを改めて行います。
それらを考慮して、段階的にどんなルートで運転を進めるかを決めていただきました。
私が選んだところは、高速道路に乗りたい場合は要相談となっていました。運転技量の兼ね合いや所要時間、料金が関わってくるので、高速での教習希望の場合は予め伝えておきましょう。
私の場合は予算の問題もあって、
・お試し2時間
・本格講習2時間✕3回
の計4日間行いました。
・近所をぐるぐる
・近所をぐるぐる(大回り編)
・それなりの距離で今後よく行きそうなところ
と少しずつ距離を伸ばし、後半になってからしっかり駐車の練習もしていきました。
ペーパードライバー講習の目安として、「10年ほど運転から離れていた場合はお試し+10時間」とのことでした。
私は講習後自主練をすると決めていたので、料金の兼ね合いもあり短めにしてもらいましたが、感触としては10時間を下回る場合所々不安が残ります。
所用時間と料金
私がお世話になったところは、
- お試し(2時間)10,000円
- 本格講習2時間✕3回 34,500円
でした。合計で
- 8時間
- 44,500円(税込)
ということになります。
ちなみに私が住んでいる地域の自動車教習所でのペーパードライバー講習は
- 6時間コース(所内2時間、路上4時間)46,000円(税込)
- 10時間コース(所内4時間、路上6時間)70,000円(税込)
でした。
自主練
上記の計4日間でそれなりに自信がつき大事故を起こす可能性はぐぐっと減ったわけですが、じゃあその次からはスイスイひとりで運転できるほどかというとそんなことはなく。
ペーパードライバー講習が終わってから夫と一緒に何度か車に乗ることが可能だったので、折角戻ってきたカンを失わないうちにと近所のスーパーなどに行くときに同乗してもらいました。
講習はお試しを入れて4回でしたが、+5回ほど(1回あたりの運転時間は30分程度、往復運転して1時間までです)、つまり10回前後で「ひとりでやってみようかな」くらいの心境になりました。
その上で、駐車や新しい道はまだ怖いという感じです。
感想
「やさしく」「客観的に」「アドバイスをつけて」みてもらうのはいい!
家に車があり、夫と車に乗る機会が多く作れて、かつ育休中ということで(子どもを後ろに乗せることで)たくさん自主練ができる。
ということは、自主練だけでやっていけるのではと思いますよね?
でも、それでも!
ペーパードライバー講習を受けて良かったと感じます。
講習後夫に同乗してもらい練習をしたのですが、
・「危ない!」「あかん!」など咄嗟に言われることばに傷つきがち
・夫は「運転に慣れている」が「プロ」ではないので、アドバイスが感覚的
・家の車(ほぼ夫のもの)を扱うプレッシャー
というデメリットがありました。
付き合ってくれる夫には感謝してますが、この「プロではない」が本当にポイントで。
例えば駐車がうまくいかないとき。
講習だと、バックの起点の問題なのかハンドルの切り返しの速さの問題なのかといった原因を指摘してもらいながら練習して改善していきます。
ところが夫とだと、「そうじゃない」とは言われながらもどこがどう悪いかとかは上手く説明できません。
さらに駐車がもたつくことにより後ろがつかえていたりするとさらに状況は悪化。
講習だととりあえずと指導員さんがさっとハンドルをとって迷惑にならないようにしてくれますが、夫とだと普段そんな操作はしないので、ただただこちらに焦りが伝わってくるという辛さ……。
まじかという顔をしたあとに「降りて(運転を)代わろか」と言われるとショックで( ;∀;)
普段夫婦仲は良好ですが、どうしても「教える方」「教わる方」と上下関係になってしまいますしね。
指導員さんは教習の間だけの関係ですし、ペーパードライバー相手のお仕事なので、「運転が下手なところからの成長ぶり」を見てもらえます。
「この辺はつまづきやすいポイント」などがあれば前もって言ってもらえる安心感もありました。
運転のクセを見てもらえる
私の場合は、
・ハンドルを切ったあと戻すのが遅い
・今走っているところでなくこれから走るところに意識を向ける
の2点をよく指摘されました。
自分ひとりの運転だとクセは気づきにくいですし、例えば夫に同乗してもらう場合は危ない状況にならなければあまり指摘されることはないでしょう。
それらを意識することで、ちゃんと上達しているのが実感できました。
出張型は「気楽さ」が良かった!
ドアを開けたら教習車と指導員さん。
挨拶をしたら車に乗って即スタート。
運転したい場所で運転。
時間丁度にドア前へ。
出張型を選んだことで、教習以外にかかる時間がほとんどありませんでした。
私には赤ちゃんがいたので時間に対しては気がかりでしたが、、直前に授乳をして次の授乳までに帰ってこれましたし、スマホや財布以外荷物もいりませんでした。
上着や傘もなくて大丈夫。
これが私にとってとても魅力的でした。
出張型は「日常使い」におすすめ!
保育園お迎え。
病院。
買い物。
用途や目的地が大体決まってくる場合、そこへのルートをしっかり辿りそこに至る道の注意点を教えてもらえます。
「ここ通った!」「この交差点やった!」があると精神的にとても安心できて、慣れが自信に繋がります。
私は買い物に行く店での駐車練習を何度かさせてもらったので、そこへ行くハードルがだいぶ下がりました。
仕事で運転をする、運転で様々なところに行くというのでない場合、出張型はコスパが良いという印象です。
出張型では教習所より履修内容が狭くなるかも
出張型ではルートをカスタマイズしてもらえる利点がありますが、一方でそのルートにないものは履修しないまま終わることがあります。
例えば私の場合は「踏切」は履修しませんでした。
今後よく行くだろう目的地には踏切がないので、当面必要ではありません。
けれど「ひととおり色んなパターンを履修したい」ということであれば、教習所のほうが広く学ぶことができるでしょう。
運転へのハードルがさがり、「頑張ろう」と思える
少しずつ運転ができるようになり、恐怖心が少しずつ薄れ、だんだんと自信がついていく。
仕事ではあまり感じることのなくなった感覚がありました。
一旦ペーパードライバーになると、運転をしてもかまわない状況にいるものの、運転へのハードルが高くなってしまっていて、ペーパーから運転をする状態に戻るにはなにかきっかけが必要になってきます。
私の場合はそれが2人目の出産でしたが、やっぱり「今の状況から変わること、さらにそこに労力がかかること」となると踏ん切りがなかなか付かなくて当然です。
ペーパードライバー講習は、そのハードルを下げ、できるよと背中を押してくれて、「近場からちょっとやってみようかな」とやる気を引き出させてくれます。
そして私は、そのなかで出張型が自分に合っていると感じました。
金額として決して安くはありませんが、免許証をただの身分証明書としてずっと持っておくことに比べたらいい投資と言えるのではないでしょうか?
以上、ペーパードライバー講習についてでした!
何か少しでも中身がご参考になれば幸いです。