妊娠中に色々体の変化が起こりますが、出産後それが段々と元に戻っていきます。
産後6-8週ほどになるこの期間を産褥期というのですが、私の場合どんなふうであったかを書いていきたいと思います。
●スペック
私:30代後半。
今回不妊治療後経膣分娩にて次女を出産。
長女のときはミルクと母乳の混合→生後3ヶ月頃に完全母乳に移行の形だったので今回もそれくらいの心積もり。
赤ちゃん(次女):37週、2500グラムでスピード出産にてうまれた少しせっかちな小粒ちゃん。
産後入院中
入院2日目(生後1日目)
【痛み】
出産時に会陰が裂けたのですが、その傷は痛みがあって、円座必須でした。
歩けないとかではないのですが、座るときが辛い……。あとトイレがちょっと怖い。
【悪露】
出産当日より減りはしたものの、悪露はしっかりとした量があります。
産褥パッド使用。
【母乳】
母乳の分泌はほとんどなかったと思います。
赤ちゃんもうまく乳首を咥えられず練習といったところ。
【メモ】
出産した日、最初のトイレは行く前に教えてほしいと言われていました。
でもなかなかに行きたいという感覚がうまれず、看護師さんから促されて行くことに。
妊娠中あんなにすぐ行きたくなっていたのに……。
そこから1日経って、この日にはある程度トイレに行きたい感覚が戻ってきました。
良かった。
とはいえ、その感覚もまだしっかりではないので意識してトイレに向かうようにします。
ところで、私は今回妊娠する直前にやっと長女が卒乳したという状況でした。
長女はそのときなんと3才半。
3才になった頃には流石にごくごく飲むのではなく、精神安定剤としておしゃぶりのように少し咥えるというものだったと思うのですが、私のおっぱいはキャリアのある百戦錬磨の戦士だったわけです。
そして、赤ちゃんに初めておっぱいをあげるとき気づきました。
……この小柄な赤ちゃんのこれまたちいさな口に、この私の乳首はでかいと……。
咥えさせても、なんかキツそうというか……。
最初の数日間は、明らかに哺乳瓶のほうが咥えやすそうにしていました。
なんか、ごめんね。
長女と次女の体の大きさと口の大きさの差を感じました。
入院3日目(生後2日目)
【痛み】
会陰の傷は痛みが減り、円座は必須ほどではなくなりました。
ただ立ちあがる、くしゃみをするなど力が入ると痛いです。
【悪露】
悪露は生理3日目くらいの量。
鮮血っぽさはなくなり赤みは弱くなりました。
産褥パッドでなく生理用ナプキンの夜用や多い日用で大丈夫。
【母乳】
まだうまくいかない授乳が続きおっぱいが傷ついていました。
ひどくならないよう保湿をきちんと。
【メモ】
この日産後最初のお通じがあり、ドキドキしたもののなんとか大丈夫でした。
出産時裂けた会陰を縫ってもらったとき(スピード出産のため先に切開できず裂けてしまいました)、しばらくウォシュレットを使うなどして清潔にすべしと指示があったので気を付けていきます。
おっぱいは乳首の咥え方が浅いのか少し傷つきましたが、ケアすれば授乳の継続に支障はないレベルでした。
長女のときはお互い下手で慣れず出血してしまい、吐き戻しに血が入っていて焦ったり痛くて授乳できず暫く搾乳に切り替えたりしていました。
それを思うと、おっぱいがこれまでの経験で強くなっているのかなと感じます。
これは上手くない咥え方だとすぐわかる経産婦の経験値もあったかもしれません。
この日の後半から赤ちゃんがちょっとおっぱいを吸うようになったかなという実感があり、それに伴い後陣痛と思われるじんわりとした痛みがありました。
生理痛に近い感じの痛みです。
長女出産のときは後陣痛を特に感じなかったので、経産婦のほうが後陣痛を感じやすいというのは本当だったんだと知りました。
後陣痛の程度は本当にひとそれぞれのようです。
ひどいときにはしっかり休みましょう。
入院4日目(生後3日目)
【痛み】
会陰の傷の痛みは弱まりました。
円座はあると嬉しいけれど、なくても過ごせるという程度。
【悪露】
悪露は生理用ナプキンの多い日用~普通の日用でまかなえるくらいになりました。
【母乳】
午後になってからおっぱいがはってきました。
少しずつ分泌が増えているようです。
授乳に伴い後陣痛もあります。
入院5日目(生後4日目)
【痛み】
会陰の傷は少し痛いという程度。
【悪露】
悪露は生理後半くらいの量に。
【母乳】
分泌過多。
おっぱいがかたく張って痛みがあります。
授乳後は分泌の関係か、ちくちくする感触。
授乳で出るホルモンの影響か、赤ちゃんが小柄で体力がないのか性格や個性の問題なのか、少し飲んですぐうとうとしてしまうので、飲まれる量より生産される量のほうがだいぶ多そう。
横になるとつっぱるというかひっぱられる感じがして痛いので仰向けで寝ます。
妊娠中は横になってしか寝れなかったのに……。
母乳が漏れてしまうようになったので、授乳パッドをつけることに。
【メモ】
この日、出産後まだ出ていたおなかが子宮の戻りで少し引っ込んできたのと、母乳の分泌で胸が大きくなったのとで、横からみると両者が同じくらいになりました。
出産直後は見た目がまだ明らかな妊婦でしたが、妊婦のシルエットではなくなってきた……かな?
入院6日目(生後5日目)退院日!
【痛み】
会陰の傷の痛みはほとんど気にならないくらいになりました。
【悪露】
悪露は生理用ナプキンの普通の日用でまかなえるくらいになりました。
【母乳】
おっぱいのかたい張りのピークは過ぎた様子。
母乳生産に使うからか、喉が渇くようになりました。
【メモ】
退院後の予定として、産後2週間および1ヶ月の健診の予約をしました。
母乳について。
私は「長女のときのように、混合からのちのち完全母乳になればいいなあ」のスタンスでいました。
長女のときは入院中に乳首が切れて母乳量がちゃんとはかれず分泌量に不安があったのと、胸がはって痛みがあったので乳腺炎にならないかの懸念があったのとで母乳外来の予約もしていました。
今回の次女に関しても、体重が軽めでミルク量も少なめからスタートしていたため、母乳量と赤ちゃんの体重がきちんと増えているかの確認をしておきたかったので、母乳外来を予約しておきました。
また、私の体重はこのとき妊娠前+5kg程度。
赤ちゃんの体重+胎盤や羊水分がなくなったくらいでしょうか。
出産直前に10kgほど増えていたので、あと半分です。
入院中は部屋からほとんど出ず身の回りの最小限のことと赤ちゃんのお世話しかしていませんが、ごはんはしっかり食べて体重も落ちていっていました。
出産ってやっぱり色々消耗してるんですね。
産後2週目
【痛み】
会陰の傷はもう気にならない程度になりました。
トイレのときも痛くありません。
その他、後陣痛がたまにじんわりとあります。
【悪露】
生理の終わりかけくらいの量。
ナプキン替えなくてもいいのでは?というときも出てきました。
【母乳】
ひどくはありませんが乳首に傷が少しあり、吸われると痛みがあります。
また、分泌が多くなってきました。
入院中のように胸が固くなるほどにはならないものの、授乳後時間が経つとすぐ張ってきます。
寝る体勢によってはつっぱる感じも。
お風呂(浸かれないのでシャワー)からあがるとおっぱいが溢れて滴ってきます。
たくさん母乳は作られてきているけれど、まだ「どんだけ飲んでもらえるかわからないけどとりあえずいっぱい作ってるよ!」フェーズ。
受注生産制に移行するのにはまだ時間がかかります。
赤ちゃんが飲むのが下手なためか、一部胸にしこりのようになっている部分ができていました。
乳腺炎になったら大変なので、授乳の前に揉んでからあげるようにしてみます。
【メモ】
出ていたおなかが結構凹みました。
大きくなり固く張っていた入院中の胸は少し落ち着いていましたが、その胸とおなかを比べても胸の方が大きいかなという程度に。
妊娠前の体型に少しずつ戻っていっているようです。
けれど胸の下から股のあたりまでくっきりとついている正中線はそのまま。
いつになったら消えるんだろう……?
産後3週目
【痛み】
特に気にすることはなくなりました。
【悪露】
生理の終わりくらいの量で、薄い茶色をしています。
もうナプキンなしにできないかなと思いつつも、「ほんの少し」がだらだらと続いていて終了にできません。
【母乳】
乳首の痛みが消えていき、授乳がしやすくなってきました。
胸のはりもこの頃からあまり気にならなくなりました。
【メモ】
体重は妊娠前+3kgほどになりました。
この分はゆっくり減らしていかなくては。
また、この時期に産後2週間の健診がありました。
内診で悪露はまだ確認できるものの、経過が順調だということでお風呂に浸かる許可がおりました。
やった!
その他母乳外来を予約していましたが、問題がなさそうだったので赤ちゃんの体重増加だけみていただきました。
しっかり増えていたようで、この調子で進めていき、のちのち完全母乳に移行していってよいと言ってもらえました。
ミルクと違い母乳はどれくらい飲んでくれているかわかりにくいので、こう判断してもらえると安心できます。
産後4週目
【悪露】
ほぼ無しになりました。
トイレで拭くとたまに付くかなくらい。
【母乳】
張りや痛みがなくなってきました。
ミルクにはまだまだ頼るものの、分泌は増えています。
【メモ】
母乳の分泌が増えて赤ちゃんがそれをたくさん飲むようになりました。
それによって、生産のためか喉が渇いて飲み物をたくさん飲むようになり、授乳で出るホルモンの影響で眠気が襲うようになりました。
水分は摂るのですが、まだ足りないのかすぐ便秘になります。
産後5~6週目
【悪露】
無しになりました。
やっと快適に。
【母乳】
量が増え、安定してきました。
お風呂あがりに滴ることがなくなり、傷の痛みもなくなっていたのでケアが楽になりました。
滲むのでパッドをするくらい。
授乳間隔はまだそれほどあきませんが、ミルクの量が増えなくなり、完全母乳への兆しがみえてきました。
【メモ】
里帰りで実家にいましたが、家に戻りました。
ふたり暮らしをしていた夫と長女と合流し、4人家族としての暮らしがスタートです。
産後の肥立ちは良好で元気になっていましたが、産褥期に無理をするのはよくないので(更年期障害にも響いてくるとのこと)、長女の保育園送り迎えや買い物は夫にお願いします。
私は授乳など赤ちゃんのお世話を中心に。
そして甘える長女の相手を。
その合間に里帰りの荷物を荷ほどきしていきます。
母乳の増加と里帰りから戻ってやることが増えたことにより、おなかがすくように。
なんでも、1回の授乳で60〜80kcalくらいの消費になるそうで。
そりゃあおなかもすくでしょう。
ということで、おやつをしっかり食べます。
夫も毎回嬉しそうに食べてるけれど、大丈夫?
体重は妊娠前+3kgあたりをキープ。
ここくらいからは減量がゆるやかになりそう。
外出がままならないし疲れるしで、おやつが日々の楽しみになるんですよね。
間食は体のことを思うと甘い物でなくおにぎりやおいもにするといいというのは百も承知。心が潤うことをしたいのです。
産後7~8週目
【母乳】
ミルクをあげなくても1日過ごせるかな?という手応えが出てきました。
ミルクをあげてみても残すことが増えました。
長女が寝かしつけは私でないと嫌と言うので、その寝かしつけ中に赤ちゃんが欲しがったら夫がミルクをあげるという体制にして、一応ミルクを飲む機会は残しておきます。
外出時はミルクが便利なので、ぱたんとミルクを止めることで赤ちゃんがいざという時にミルクを飲まなくなるリスクが生じるのは避けたいのです。
【メモ】
特段体調に気になるところがない状態で産褥期を終えることができてひと安心。
体はしっかり回復できたかなと感じているので、これからは調子をみながら赤ちゃんと一緒に外出したり少しずつ運動をしてみたりしたいと思います。
お風呂で落ち着けない話
出産翌日からシャワーの許可がおりたので、そこから入院中は毎日シャワーを浴びることができました。
しかしずっと「清潔を保つため」でしかなく、あまりリラックスはできませんでした。
赤ちゃんをナースステーションに預けてからのシャワーなので、長時間は申し訳ないしそわそわします。
そして湯船に浸かる許可がおりていないのでのんびり温まることはできません。
私は産後2週間の健診にて許可がおりました。
お風呂で最初の頃なにより困ったのは、「出産時の会陰の傷」「悪露」「授乳でついた乳首の傷」のケアです。
どれもデリケートなところで、ひとりでモヤモヤしてしまう案件です。
傷はシャワーがあたると痛いし、なんなら拭くためのタオルがあたっても痛いし、あがってから保湿などのケアが必要です。
悪露がまだしっかりあるのでシャワー中垂れてこないか気になるし、すぐまたパッドやナプキンをしないといけません。
入院中貸し出しできるタオルが白いので汚してしまわないか気が気でなくて、最初の2日ほどは持ち込んだタオルで拭きました。
こういうことがあって、「あースッキリ!」という爽快感があまりなかったんですよね。
母乳が出てくるようになるとお風呂あがりに勝手に滴ってきたり、退院後は入浴中に赤ちゃんが泣かないか気になってのんびりできなかったりと、産褥期においてはしばらくお風呂では落ち着けない日々が続くことになるのです。
母乳育児の経過の話
赤ちゃんを育てるにあたり母乳かミルクか混合かという問題は、赤ちゃんと母体の状態や環境により変わってくると思います。
母乳は、慣れると楽で経済的です。
服をめくるだけで授乳ができて赤ちゃんを待たせることがありませんし、寝かしつけで添い乳もできます。
しかし母親にしか授乳ができず、役割を代わることができません。
授乳間隔が短い頃など、外出への壁を感じることになります。
産後すぐなど授乳が軌道に乗るまでは、痛みや乳腺炎のリスクもあります。
ミルクは、母親に限らずあげることができるので、夫婦で交代で授乳することが可能となります。
負担が母親に偏らないのは長所です。
一方で粉ミルクに哺乳瓶など、用意するものが母乳よりどうしても増えますし、作るのに時間がかかります。
継続的にミルクを購入する必要があるので、金銭的負担もあります。
どちらがいいということはなく、それぞれの答えがあるでしょう。
私は長女のときは混合から始めて3ヶ月頃に完全母乳に移行しました。
今回も同じように進めようと、母乳だけということにこだわらずミルクも順次足してあげていました。
最初は母乳をあげてから、足りなければミルクをあげるスタイル。
ミルク缶に書かれている月齢ごとの量の目安は、あくまでミルクだけの育児の場合です。
量が見えない母乳の飲み具合とミルクの必要量の塩梅を考え、赤ちゃんの反応を見てミルクを増やしていきます。
これが難しい。
ちゃんとした答えはなく、赤ちゃんも喋らないので手探り状態です。
長女のときは里帰り先で母に「ミルク足りんのちゃうか」と何度も言われてモヤモヤしました。
母乳は頻回授乳により分泌が増えるからミルクの足し過ぎは母乳分泌の妨げになりますが、飲む量が少なければ赤ちゃんのおなかがすいたままだし泣いてしまいます。
母の言うことはわかるしお世話になっているが、こっちは色々考えてこの量にしているのだ……。
産後のホルモンの問題や寝不足も相まって、この頃がメンタル面でも辛かったのを覚えています。
少しずつミルクを足さなくても満足してくれるようになり、授乳間隔もあいて、段々と完全母乳に移行していきます。
私は完全母乳ルートになり今回もそうなりそうですが、ミルクより優れているとは思いません。
ぐずったらハイおっぱい、とできるのは確かに楽でした。
おっぱいで寝落ちしてくれることがよくあったので、ミルクより寝かしつけはやりやすかったでしょう。
でも薬は気楽に飲めないし、アルコールは卒乳まで無理で、卒乳のタイミングは自分だけの問題ではありません。
長時間授乳をしなかったらおっぱいが張ってくるので、子どもと離れて長時間過ごすということが難しくなります。
母乳もミルクも、メリットデメリットがあります。
母乳を選んでも、すぐ完全母乳に移行できるかどうかはわかりませんし、混合のときは塩梅が難しく双方のメリットデメリットを抱えます。
どれも優劣はなく、どのやり方でも頑張ることになります。
どれになったとしても、どれかにならざるをえないということだったとしても、どれもえらい!
私は今回8週産後の時点で、特に体調に問題ない状態でした。
しかし私の場合は、スピード出産で出血も多くなく体力が温存できたことや、実家や育休をとった夫を頼れたことなどが要因として大きかったと思います。
ひとによっては産褥期の間ボロボロの状態だったとか、日々を過ごすだけで精一杯とか、そうなる場合も十分にあるでしょう。
メンタル面も崩れやすく、辛く感じて過ごす方も多くいます。
でも出産は命懸けであり、産後の体は重傷者のようなものです。
〇〇ができない、と決して自分を責めたりすることのないようにしてください。
そして、家族に甘える、外部のサービスを頼る、こんなもんでいいやと考えることを罪悪感を抱かずにしてくださいね。